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5分でわかる!環境ビジネスのプレイヤー紹介

梅澤航大
国内営業部サブマネージャー

2019年07月25日

静脈産業を知る

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こんにちは、皆さん。国内営業部の梅澤です。

今回は、静脈産業において「どのようなプレイヤーが、どんなルールの中で動いているのか」というテーマで記事を書かせていただきます。

※静脈産業・・・静脈産業とは文字通り、経済活動を人体の血液循環に例えています。

メーカー(心肺)が新品を生産し、小売業(動脈)など得て消費者(筋肉や細胞)へ渡る活動を「動脈産業」、その担い手を「動脈産業」と呼ぶのに対し、

消費された廃棄物(役割を終えた血液)をふたたびメーカー(心肺)へ運ぶ担い手を「静脈産業」と言います。

具体的には産業廃棄物の処理業リサイクル業を指します。

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一般廃棄物の回収・運搬

一番身近な家庭から出ている家庭ごみ(一般廃棄物)を回収・運搬しているのが、一般廃棄物収集運搬業者です。

一般廃棄物とは産業廃棄物以外の廃棄物で、家庭から排出される「家庭系一般廃棄物」、事業所から排出される「事業系一般廃棄物」があります。

これらを回収し、運搬するためには「一般廃棄物収集運搬許可」が必要になります。

ただ、一般廃棄物の収集運搬許可を取得するのは非常に難しく、そもそも新規で一般廃棄物収集運搬業許可を発行していない市町村が多いです。

産業廃棄物の処理

次に、弊社の事業とも深く関わりのある産業廃棄物処理業者について説明します。

まず、産業廃棄物処理業者は以下の通り、大きく2つに分けることができます。

①排出事業者の産業廃棄物を運ぶ「産業廃棄物収集運搬業者」

②排出された状態では有害な廃棄物を無害化したり、容積を小さくしてなどをして処分を行いやすくする「産業廃棄物処分業者」

①産業廃棄物収集運搬業者

・事業の一例

リユースショップの商品が売れ残った場合、もしくは誤って破損させてしまった場合、

事業活動に伴って排出されたゴミになるため、産業廃棄物になります。

この産業廃棄物を回収、運搬するのが、産業廃棄物収集運搬業者です。

一般廃棄物を収集運搬する場合は市町村からの許可ですが、こちらは都道府県から許可をとっている事業者が産業廃棄物の収集運搬を行うことができます。

不法投棄などを未然に防ぎ、産業廃棄物の流れを確認するため、回収の際にはマニフェストという伝票を使用しています。

・事業の範囲

産業廃棄物収集運搬許可は、産業廃棄物収集運搬と、特別管理産業廃棄物収集運搬があります。

また、「積み替え・保管を含む」と「積み替え・保管を含まない」という業務範囲があります。

積み替え保管を含まない許可の場合は、排出事業所にて積み込みを行った産業廃棄物を降ろすことなく、

中間処理場や最終処分場まで、直行で運搬を行います。

そのため、渋滞などの影響で、持ち込み先である処分場の営業時間に間に合わず、事業所に戻って産業廃棄物の積み下ろし行うことや、

別のトラックに積み直しを行うことはできません。

積み替え保管を含む許可の場合は、事前に申請を行った指定の場所で産業廃棄物の積み替えや保管をできるようになります。

積み替えや保管を行うことにより効率的な回収や、処分場への持ち込みが可能になります。

②産業廃棄物処分業者

前述にあるように、産業廃棄物を事業所から回収をして運搬を行い、処分場に持ち込みを行う先にあるのが「産業廃棄物処分業」になります。

産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物中間処理業者産業廃棄物最終処分業者の2つに分けられます。

・産業廃棄物中間処理業者

中間処理(=廃棄物を「安全化」「安定化」「減量化」すること)を行います。

例として、容量の大きな廃棄物を圧縮または破砕して減容化することで運搬効率を上げたり、

資源を取り除いてリサイクルをすることで減量化することもできます。

廃棄物の法律である廃掃法の規定により、都道府県の許可が必要になります。

・産業廃棄物最終処分業者

中間処理場で「安全化」「安定化」「減量化」を行った後にある、最後の工程(=最終処分)を行います。

最終処分場には3種類あります。

①安定型最終処分場・・・廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類など、

廃棄物の性質が安定しており、生活環境保全上の支障をきたすおそれが少ない廃棄物のみを埋め立てます。

②管理型最終処分場・・・燃えがら、汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、鉱さい、ばいじんなど、

安定型最終処分場に埋め立てる以外の産業廃棄物で、かつ有害物質の含有量が埋立判定基準以下である廃棄物を埋め立てます。

③遮断型最終処分場・・・廃棄物の種類にかかわらず、埋立判定基準を超える有害物質を含んだ廃棄物を埋め立てます。

いかがでしょうか。

捨てられたゴミが今日もこの長い工程を経て、適正に処分されております。

みなさまも次からゴミを捨てる際は、上記のような長い旅になると想像してみて下さい。

それではまた次回お会いしましょう。

この記事を書いたライター

梅澤航大

株式会社ecommit
国内営業部サブマネージャー

梅澤航大

1994年鹿児島生まれ。交通事故での長期入院をきっかけに後悔のない人生を送ることを決意。大学を休学しバックパッカーと留学を経験したのち、カンボジアで400人規模の日本語と英語が学べる語学学校を設立し、現在も運営に携わる。教育環境充実のためクラウドファンティングに挑戦し、開始1ヶ月で目標金額の2倍以上の資金調達に成功。活動時のラジオ番組で取締役の永山に出会う。ビジネスモデルに共感を受け、活動を継続をするためにビジネスを学ぶことが必要不可欠と感じ、ecommitに合流。ecommit学生社員第1号。外見は実年齢の10歳上に間違われることが多い。

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