皆さん、こんにちは。株式会社ecommit管理部の吉居です。
「クラウド会計ソフトを導入して起きた変化について記事を書いて欲しい」と、広報スタッフから要望がありました。経理でない人からの要望なのに、良いお題ですね。(良いお題と思うのは私だけ?)
この記事では、約3年前にクラウド会計ソフトを本導入したエコミットを例に書いていきたいと思います。
クラウド会計システムが導入されるまで
以前は、経理担当者のPCに会計システムをインストールし、インストールされた端末で経理の業務を行うというのが主流でした。
ここ5年くらいで、Webシステム化された会計システムでインターネット接続環境さえあれば、どこからでもログインして経理業務を行えるクラウド会計システムのシェアが高まってきています。
クラウド会計ソフトの利用割合に関する調査では、クラウド会計システムの利用割合は年々のび、2019年3月末時点で18.5%がクラウド会計ソフトを利用しているようです。
クラウド会計システムを提供している会社も2パターンあります。
①インストール型の会計システムを提供している会社で新たにクラウド会計システムを開発した会社
例:勘定奉行、弥生会計など
②クラウド会計システムを開発することを目的として設立された会社
例:マネーフォワードやfreeeなど
エコミットにおけるクラウド会計システムの導入
エコミットでは2016年にクラウド会計システムのfreee導入を進め、2017年に本導入を行い、以下の3つの変化が起こりました。
①重複入力の削減
②業務の分散化
③視えることによる信頼関係
①重複入力の削減
経理の業務では業績把握、取引先への支払いなど、正しい金額で入力を行うことが非常に大切です。そして間違いを防ぐためにExcelなどで様々な管理資料を作成している会社が多いと思います。
例えば、取引先から月末支払期日の請求書を受け取った場合、従来のインストール型の会計システムでは、以下のような作業が必要でした。
a.会計システムへの請求書の登録
b.期日別支払一覧表(Excel)への入力
c.インターネットバンキングへ支払データの入力
d.会計システムへの支払取引の登録
つまり、1つの取引の情報を4回入力が必要だったのです。
しかし、freeeでは1つの取引の請求書受領~費用の仕訳入力~支払~支払の仕訳入力を、システム上で一連の取引ととらえるような設計になっているため
これまで行っていた業務がこのように変化しました。
a.会計システムへの請求書の登録 → 同様に必要
b.期日別支払一覧表(Excel)への入力 → 自動で作成される
c.インターネットバンキングへ支払データの入力 → freee上で支払いが行える
d.会計システムへの支払取引の登録 → マッチングさせるのみ
これは入力作業が4回→1回に減ることで手間が削減できるだけでなく、複数資料への入力誤りによる、根拠資料⇔管理資料⇔支払データ⇔仕訳などの資料間の整合性確認も不要になるため相当の業務効率化、削減につながりました。
②業務の分散化
クラウド会計システム導入以前は、経理部が全ての仕訳入力を行っていました。しかし、経理部では取引内容を十分に理解できず、誤った仕訳の計上したり、仕訳内容確認のため営業所とのやり取りに多くの時間を要していました。
しかし、クラウド会計システムを導入し、各営業所にも経理機能の権限を付与し仕訳入力を行ってもらうようにすることで、現場の状況を把握している営業所で仕訳の入力を行い、経理は仕訳内容の確認を行うと役割分担ができるようになりました。結果として、以前より誤った仕訳の計上や内容確認に要する時間を削減できています。
一方で、経理メンバーが会社の事業内容や取引の内容を理解していることは非常に重要であるため、業務を経理外で行うことで会社の理解度が低くならないようにする対策が別途必要とも感じています。
③視えることによる信頼関係
エコミットでは各部門にアカウントを付与し、自部門および全社の損益を各部門で確認することができます。
これは賛否両論だと思いますし、個人情報に関するような情報などは見えないような配慮は必要ですが、私は、会社の状況を全社に公開する方が、公開されていないより、良いと思います。
特に業績が良くない時などは従業員が不安になってしまうんではなかろうかと心配な面もありますが、良い時も悪い時も会社の実態をメンバーが把握し、全員一丸となって目標を達成するような、信頼関係に基づく体制を作っていきたいです。
③については、まだまだ変化しているとまでは言えない状況ですが、変化につながる可能性を感じています。
効率化も大事ですが、ツールを活用することで、より面白いと思える業務に時間を割けるようにするという意味で、うまくツールを導入して変化を起こしてほしいと思います。
それでは。
この記事を書いたライター
株式会社ecommit
取締役 管理部長
吉居大希
1984年長崎生まれ。工学部で大学院に進学するも、公認会計士になることを決め、試験に合格。大手監査法人勤務を経て、タイにわたり日系企業向け会計事務所へ。現地責任者を経験したのち、帰国したタイミングでecommitに誘われて合流。現在は取締役管理部長を務める。元ラガーマン。普段は温厚だが、海外旅行中に社長へはたきこみを決めた話は有名である。