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手放した物の先に広がる世界

濱津綾乃
人事部 採用担当

2019年07月08日

リユースの時代

人事部①ー濱津

7月に入って更に気温も上がってきました。

衣替えは進んでいますか?

みなさんは、着なくなった服をどのように扱っていますか?

着なくなった服、つまり古着の扱いには、

①オンラインのフリマや通常のフリマで販売する。

②リユースショップの店頭買取りに持っていく。

③家族や友人にお下がりとして渡す。

④生地を使ってリメイクする。

⑤資源ごみの日に出す。

⑥燃やすゴミで処分する。

などなど近頃は特に、多岐にわたる選択肢がありますよね。

私は②の買い取りをしてもらったり、⑤の資源ごみ回収に持っていったりすることがほとんどです。

①②③④のほとんどの場合、その服はもう一度、自分以外の誰かの手に渡って服としてリユースされることになります。

その後、最終的には⑤や⑥へと行き着くことになります。

ecommitに関わる前までは、自分がこうやってリユースショップに売った服や、資源ごみに出した服がどうなるか、考えたこともなく。

自分の手を離れたら、その服の存在は完全になくなったものとして、意識したことすらありませんでした。

しかし実際にこの業界に入ってみて、

その先には、私が生まれる何十年も前から続いていた果てしない世界が広がっていることを知ることになりました。

ecommitが集める古着

ecommitでは、リユースショップさんが廃棄する余剰在庫の衣類や、

リユースショップさんが買い取りをしたけれど、店頭に並べず処分する衣類などの買い取りを行っています。

また、資源ゴミの日に出された衣類(九州の一部地域)は、行政の委託を受けた業者さんを介し、ecommitの倉庫に引き取っています。

こうして集まった衣類は、何枚、ではなく、数100トンという単位で管理をしています。

初めてこの古着の山を見た時には、とても大きな衝撃を受けました。

ブログ用①

これらの服の一部は国内で再販され、再び①〜④の国内リユースの循環に戻っていくことになります。

もう服としてリユースできないと判断されたものは、工業用の雑巾としてリサイクルしたり、リサイクルもできないものは適正に廃棄をしています。

その他の服は、「日本の古着・used in Japan」として海外に輸出しています。

海外への出荷を控えた衣類は、1度の輸出でなるべく多くの量を出荷するために圧縮梱包を行っています。

ベーラーと呼ばれる圧縮機で服を圧縮し、サイコロのようなかたまりを作ります。

これは、ベールと呼ばれています。

ブログ用②

45kg〜4、500kgに至るまで、会社や機械によってサイズも様々です。

輸出する時は、海上コンテナと呼ばれる長さ12M、高さ2.4Mもある大きな箱にこれらのベールを詰めこみます。

ブログ用③

通関の手続きを行いコンテナ船に載せ、1週間から、時と行き先によっては3ヶ月もの期間をかけて海外へと渡っていくのです。

さて、では海外へと渡っていった後の服はどうなるのでしょうか?

古着のゆくえ

ecommitのお客様の元に到着したコンテナから降ろされた衣類のベールは、

大抵のケースでは、大きな選別工場で人の手によって特定の種類ごとに選別されます。

そもそも、圧縮時に何もかも(サイズ、大人用、キッズ用、男女など)種類をミックスした状態で送られていますので、

現地のお客様が現地で服として販売するために、まずこの種類を仕分ける必要があります。

ブログ用④

種類ごとに選別され終わった服は、今度はその種類ごとに圧縮梱包され直し、

更に別の国へと輸出されたり、現地の古着市場でエンドユーザーに販売されることになるのです。

ブログ用⑤

このようにして、日本の古着は海外のお客様の元へと販売されていきます。

私は約5年前に飛び込んだこの世界に衝撃を受けたのですが、

決して、何でも「エコ」と言われるこの世の中で最近始まった新しいビジネスという訳ではなく。

実は、私が生まれる何十年も前から日本の古着が海外へと輸出されるというビジネスは続いてきているもので、

連綿と続くこのビジネスにどこかロマンを感じるのでした。

手放した物の先に広がる世界

服だけではなく、あらゆる形ある物はいつか必ず役目を終えて、

使っている人から手放される時がやってきます。

それは壊れたときかもしれないし、

使っている人が「もう必要ない。」と思った時かもしれません。

物には、使っている間だけでなく、自分の手を離れたその先にも広がる世界があります。

このブログで、そんな世界の一部を垣間見ていただけたのではないかと思います。

今、あなたが使っている身の回りの物を手放した先には一体どんなストーリーが待っているのでしょうか?

ぜひ一度、想像してみてください。

この記事を書いたライター

濱津綾乃

株式会社ecommit
海外営業部マネージャー

濱津綾乃

熊本出身、鹿児島大学に進学。学部卒なのに、気づけば6年間大学に在学。やりたいことがわからず迷走していた時期に川野社長のプレゼンを聞き、今すぐやってみたいことはこれだ!と確信。その直後、カフェで社長へ直談判しecommit初の新卒として入社。入社後は国内・海外営業、人事に携わる。中東に女一人で2週間放り出されたりしているが、当人はとても楽しんでいる。

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