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会社の中でファシリテーションスキルってどのくらい活かせるの?

永山由高
取締役・経営戦略部長

2019年05月07日

スキルを活かすファシリテーション新しい組織のあり方

みなさんこんにちは。

ecommitで経営戦略部長をやっております。永山です。

私は2011年から当社以外に、「Ten-Lab」というまちづくりの会社を経営しておりまして、そちらでは、ファシリテーションという技術を使って地域や行政や企業の抱える課題を「みんなで解決する」というプログラムを提供しています。

エコミットでは、主に組織づくり、チームづくり、戦略策定、課題解決といったテーマで社内の意見交換や合意形成を行う際に、ファシリテーションの技法を用いています。

今日は、「会社の中でファシリテーションスキルってどのくら活かせるの?」という質問をいただいたので、そちらにお答えしていきます。

よく誤解されるのですが、ファシリテーションとは、議論を誘導することではありません。

私なりの定義は、「その場にいる人たち全員の参加を促しつつ、中立的な立場で、場の目的達成に最大限の貢献を行うこと」

議論の誘導もしないし、アイデア出しを強制することもありません。

「その場に参加する一人ひとりが目的を認識し、自分たちの意図を大事にしながら前に進むための後押しをすること」を自身の役割において、社内でファシリテーションを行っています。

例えば、当社では全拠点のマネージャー以上を対象とした合宿を毎年4回行っているのですが、その場での目的は「全社の課題を解決すること」「各拠点の目線をそろえること」です。

この場合、私の中では課題解決の道筋に対する仮説を持つことなく場に臨みます。

その場、その時間に、集まったメンバーが「本音で課題だと思うもの」を抽出することと、それら課題に対して現場の皆さんが「これならできる」と思える解決策を描くお手伝いをすること。

「本音で」「これならできると思える」ものを「みんなで議論しながら」見つける。

これが大事だよなあ、と個人的に思っています。

経営層が上から落とす解決策は、現場にとっては解決策ではありません。

(現場からすると「また上がなにかわけのわからない仕事を降ろしてきた…やれやれ」で終わる話になってしまいます。)

ファシリテーションスキルは、

一人一人が当事者としてその場に臨み、

一人一人が自分事として組織の課題に向き合ったり、

解決策を考える場をつくるうえで不可欠なものであろうと思っています。

そのために、チェックイン/チェックアウト※1 を絶対に欠かさないですし、話し合いのプロセスはできるだけ紙やホワイトボードに記録するようにしますし、大人数での話し合いを極力避けて小グループ※2 に分けて本音でのやりとりができるようにしています。

※1 チェックイン/チェックアウト

場を始めるとき、終えるときに参加者が一言ずつ意見を表明し、場を開く-閉じるにあたっての準備運動をすること

※2小グループ化

場全体を3~5人ほどのグループに分けて、小さな単位で本音のやり取りをすること

これらの努力は、いまのところ少しずつですが成果を上げているように思います。

いまでは、四半期ごとの合宿の運用を、各チームのマネージャーが自らリードしつつ、参加者一人一人の声を集めて分析・企画に集中できるようになってきました。

ファシリテーションという技術よりは、このように本音で各スタッフが話し合い、自分たちにとって必要なことを自分事として議論できる文化をつくることのほうがとても大切だなあと思っています。

ということで、「会社の中でファシリテーションスキルってどのくらい活かせるの?」という質問に対する答えです。

「ファシリテーションの技法それのみではなく、会社の中でファシリテーションスキルが活きるような文化を作っていくことこそが社員一丸となって目標達成に向けて努力できる雰囲気につながる」

ファシリテーションは、手段です。

目的は、みんなでひとつになって、前にすすむこと。

私は、ecommitでファシリテーションの文化が根付くことで、一人ひとりがこの組織の主人公として活躍できる場が整っていくのではないかと信じています。

この記事を書いたライター

永山由高

株式会社ecommit
取締役 ブランド戦略部長

永山由高

1983年鹿児島県生まれ。高校まで鹿児島で育ち、福岡での大学生活を経て2006年から日本政策投資銀行へ。リーマンショックが契機となり鹿児島にUターンしてからは、まちづくり会社(鹿児島天文館総合研究所Ten-Lab)の代表をしながら、ecommitに参画。現在は取締役として経営戦略を担当している。趣味のエアギターはかなりの腕前で、2018年には日本選手権で2位に入った。

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