私は公認会計士ですが、前職を海外で過ごし帰国することを決めたタイミングで大学時代の友人を通じてecommitを知り、働くことになりました。
ecommitでの経験を通じ、最近は、監査法人だけでなく企業の中で働くことが天職だと強く感じています。
なぜそのように思うのか、企業(特に成長志向の組織の仕組みが整っていないような会社)の中で働くことのメリットをまとめてみました。
メリットを記載する前に、まずは公認会計士が何者なのかということから。
公認会計士とは
公認会計士の仕事を簡単に言うと「上場企業が作成する財務諸表及び財務諸表を作成する体制のチェック」です。
上場企業とはニュース、新聞、Yahooで株価が出ている会社で、株を買ったり売ったりしている人もいると思います。
財務諸表とは会社の経営成績の通信簿のようなもので、利益が増えたね、蓄えがたくさんあって安心できる会社だ、といったことを読み取ることができます。
会社の株を買いたい人は財務諸表などを参考にしながら、この会社は株価が上がりそうだ、下がりそうだと思って株を売買します。
実際に会社が公表している予想値よりも利益が上回っている場合には株価が上がることが多いし、下回る場合には株価が下がることが多いです。
株価があがる流れは以下のような流れです。
想定していたよりも利益がめちゃめちゃでている!
↓
今の株価は割安だ!
↓
多くの人が株を買う
↓
株価があがる
もし会社が悪意をもって業績を良く見せたいと思い、
数字を良く見せるための財務諸表を作成したとする(粉飾決算)と、以下のようなことが起きます。
想定していたよりも利益がめちゃめちゃでている!
↓
今の株価は割安だ!
↓
多くの人が株を買う
↓
株価があがる
↓
間違っていたことが判明!
本当はほとんど利益が出ていなかった。。
↓
今の株価は高すぎる。
↓
多くの人が株を投げ売りする
↓
株価が下がる
↓
株を保有する人、売った人も大損害!!
そうなると株なんて怖くて買えません。
そこで登場したのが公認会計士による監査です。
上場企業は公認会計士によるチェックを受け、問題がないよというお墨付きをもらうことが義務づけられています。
これが公認会計士の行っている仕事です。
そんな仕事も意義のある仕事ではありますが、私は企業の中で働く方がおもしろいし、
より多くの会計士が企業の中で働くような世の中にすべく啓蒙活動を行っています。
企業内で働くメリット
前置きが長くなってしまいましたが、公認会計士が企業の中で働くことのメリットは以下の通りです。
・理論×実践でレベルアップ
・やりがいのある仕事×柔軟な働き方で人生の幸福度アップ
理論×実践でレベルアップ
会計士が監査法人で働く最大のメリットを1つ挙げると、新人の頃から上場している企業の内部管理体制に触れる機会が多くあることです。
トヨタ、ソフトバンクのような誰でも知っているような会社の内部管理体制はさすがというべき体制が整っていて、その体制を新人の頃から見ることができるのは会計士位しかいないはず。
一方でベンチャー企業では、まずは営業(技術系ベンチャーでは開発も)が最重要視され、
管理部門の体制構築は後回しにされます。(そうあるべきです)
しかし、会社の規模やステージが進むにつれて、管理体制の構築が必要不可欠になり、そこに会計士の活躍する場が出てきます。
監査法人で勤務する場合と、企業内で働く会計士の仕事の違いは
監査法人会計士→会社の体制をチェックするのが仕事
企業内会計士→会社の体制・仕組みを作る、改善するのが仕事
自ら作り、改善することで会社を良くするところに醍醐味を感じることができるのが企業内で働く良さです。
実際に仕組みを作ろうとした場合、変化に対する抵抗、データが整理されていない(そもそもデータ化されていない)など多くの障害があり、それらを解決していかないといけないですが、
この経験をすることが会計士としてレベルアップにつながります。
また、これらの障害は会社、仕組みに関わらず発生することが多く、
他の会社でも活かすことができます。
監査法人であるべき姿のノウハウを蓄積する
↓
自分で作る経験で導入経験を積む
↓
他社でも活かせる
↓
更なる経験を積む
↓
・・・
と好循環が生まれます。
『理論×実践』を身に付けると、どの会社からも求められ市場価値が高まります。
やりがいのある仕事×柔軟な働き方で人生の幸福度アップ
「会社を良くする手助けをしたい、財務諸表のチェックにより、より良い世の中にしたい」という思いで会計士になった人も多いはず。
しかし、監査法人で勤務する会計士は財務諸表を監査するために資料の提出を依頼しますが、
面倒がられることが多いなど、特に若手会計士にとっては、世の中への貢献が見えづらく、やりがいを感じづらいことが多いです。
私は幸運でした。
大学の友人つながりという縁から、
企業の中に、会計士を志した時に描いていたような未来がありました。
そして、いろいろな人と話す中で、
会計の専門家を必要としている会社はいくらでもあることがわかりました。
会計士にとって、監査法人を辞めて世の中に出ることはとても不安です。
しかし、勇気を持って一歩世の中に飛び出すと、やりがいのある仕事はいくらでもあります。
『理論×実績』でレベルアップすることで、自分がやりたいことをできるようになるし、働き方も自由度が広がります。
世の中の働き方に対する考えも変化し、ITツールやシェアリングエコノミーの発展により環境も整っています。
Work As Life
人生で多くの時間を使う仕事。
『やりがいのある仕事×柔軟な働き方』は人生の幸福度を向上させると確信しているので、
多くの人が踏み出す勇気をもって欲しいなと思います。
これらが公認会計士が企業内で働くメリットですが、
「鶏口牛後」
小さな集団であっても、自分のスキルを活かしつつ裁量権を持って刺激のあるメンバーと面白いことを行う。
これは会計士に限らず当てはまるもので、同じような働き方を行う人が増えることで幸福度も高まり、生産性も向上するのではないでしょうか。
これからもエコミットで壁にぶつかることを楽しみながら、
仕事、人生を楽しんでいきたいと思います。
この記事を書いたライター
株式会社ecommit
取締役 管理部長
吉居大希
1984年長崎生まれ。工学部で大学院に進学するも、公認会計士になることを決め、試験に合格。大手監査法人勤務を経て、タイにわたり日系企業向け会計事務所へ。現地責任者を経験したのち、帰国したタイミングでecommitに誘われて合流。現在は取締役管理部長を務める。元ラガーマン。普段は温厚だが、海外旅行中に社長へはたきこみを決めた話は有名である。