就職活動のシーズンとなりましたね。自分の就活時代をなつかしく思い出します。
ecommit常務執行役員兼海外営業部長の武石です。
鹿児島の学生で、海外営業という仕事に興味を持っている人たちのキーワードを見ていると、
どうやら「海外と英語」というものが根強くあるようです。
私も英語が大好きで、海外というだけで、どこか遠い未知の国でワクワクするというイメージでした。
なので、今も海外に関わる仕事をしているのかもしれません。
「海外と英語」に関する環境の変化
今思い出してみると、当時と今では働く環境は大きく変わってきているんだなと感慨深いものがあります。
主なものを挙げると、
①英語という言語が今よりも重みを持っていました。
英語が使える人はすごい!とか外国語と言えば英語だよね!という雰囲気で、
②海外に行くにも、飛行機に乗っていくこと自体が一大事で、親戚から激励の金一封をもらい、
親の顔を二度と見られないと覚悟するような緊張感があり、
免税店で買うブランデーのナポレオンがスゲーみたいな、
③インターネットも携帯電話もなく、ガシガシ鉛筆で文書を書きファックスで流し、固定電話で国際電話をかけまくり、
④外国人自体が珍しく外国人を見かけると、どこの国の人であろうと英語で「ハロー、ハウアーユー?」と言ってみて、通じたぁ!という喜びをかみしめるそんな時代でしたね。
このような時代に生まれたことが幸せだったのかもしれないというくらい、今の労働環境は変わってしまいました。
①英語が出来ることはあたりまえとなっています。
言葉だけなら、精度の高い同時通訳機械の登場で、そもそも英語が出来る必要もなくなりつつあります。Webページも勝手に翻訳してくれますし。
②飛行機に乗って外国にいくことも、あたりまえの感覚になってきています。
外国が身近になって、日本のどこかに行く感覚で出かけられます。
③インターネットの普及で働く場所を問わなくなってきています。
実オフィスに皆揃っていなくても、携帯さえあれば、バーチャルオフィスで遠隔勤務もあたりまえ。
市場も国内と海外のボーダーレス化が進んでいますよね。
「一人の人間として仕事が本当に出来ること」が評価される時代
特に、今後15年については、話題のAI(人口知能)の発達で今人間が行っている仕事が徐々にロボットなどに置き換わっていくだろうという話がでています。
まだ現実的には思えないかもしれませんが、実際すごいスピードで進んでいるようです。
英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」によると、
今の702種類の職種の内、15年の内に47%がAIで自動化されるようになるとされています。
アメリカでは、2011年に入学した小学生の半分以上は今まだ存在しない職業についているとのインタビュー記事もでています。
何が取って変わられやすいかというと、主に単純作業となりますが実際非常に多岐にわたります。
人間が主にやることは芸術など新しい発想や価値を生むようなクリエイティブな仕事が中心になります。
ビジネス英語の翻訳も同時通訳もあと数年もすればAIで出来るようになります。
私の時代まではぎりぎり、人の一生の間にこれだけの技術進歩をすることはなく、
なんとか同じ価値観や生活基準で一生を生きていくことが出来ましたが、
これからは生きている間に環境はどんどん変化していくと予測されます。
そうすると、手に職をつけるより、変化への対応力やAIの力が及ばないところでの人間力の発揮の方が、より必要とされてきます。
だからこそこのような環境下では、海外市場であろうが、英語であろうが、外国人であろうが、それは付随的なことにしか過ぎず、
結局「一人の人間として仕事が本当に出来ること」が評価される時代になっているというのが私の感想です。
「英語を使って海外と関わる」を現代に変換すると…
「英語を使って海外と関わる」という観点から見ると、今の2019年時点で言い換えると、
「英語に限らず諸外国の文化や価値観を理解し、日本の文化や価値観とのギャップを認識し、
人種・宗教・肌の色の違いなどを乗り越え、その上でお互いの理解を可能にしていくこと」
と変換されます。
つまり国境を越えた真のコスモポリタン(=世界市民)になることです。
今海外ビジネスで活躍されている方々は、相手が外人であることも意識しないし、
外国語を話している意識もなく、スムーズに意思疎通を実現しているはずです。
日本では、プレゼントを渡すときに、
「(とても高価なものだけど)これはつまらないものですがお納めください。」
と言いますが、海外でこれをそのまま外国語に置き換えて渡してみてください。
きっと相手は、そんなつまらないものをくれるなんてひどい人だと怒り出します。
Cross Culture(多文化・異文化)の翻訳とは、
「あなたのために特別なものを用意しました。きっと気に入ってくれると思う。」
となります。
これだけでは終わりません。先ほどは今後15年と言いましたが、25年先になると更に進化が進みそうです。
アメリカの発明家・未来学者であるレイ・カーツワイルはその著書で、
今から約25年後の2045年に、人工知能の性能が全人類の知性の総和を越える「技術的特異点 (Technological Singularity)」と呼ばれるときがくるとしています。
つまり、それ以降の発明などはすべて人間ではなく人工知能が担うようになり、
それ以降の進歩は人間がいくら考えても想像ができないレベルに達するというものです。
35年先となると、もう人間では想像できなくなるのでしょうか。
単に、「英語と海外」にあこがれて就職する前に、
今後15年先までを考えて自分の本当の価値をどこで発揮したいのか、
英語と海外とは自分にとってどういう意味をもつのだろうと考えてみてください。
同じことはいつまでも続きません。数年単位で働く環境は劇的に変わっていきます。
だからその時を迎えるにあたり、今何をすべきなのかよく考えてみてください。
ちなみに、以下は海外向きの性格の例です。
これは将来も当てはまるのではないかなと思います。
- 外国の食事を喜んで食べることができますか?
- いつも笑顔でいれますか?
- 言いにくいこともスバっと話せますか?
- 相手への尊敬や思いやりを維持できますか?
- 外国人と24時間一緒にいて違和感がありませんか?
- 外国人に日本特有のことを説明できますか?
- いつも前向きですか?
- 論理思考ができますか?
今現在、ecommitでは4名の海外営業部員で20か国以上のお客様と日々奮闘しております。
まずは目先の業務に集中し、何が将来起こっても対応できる力を身に着けるべく日々自己成長を続けています。
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